就活に不満、学生がデモ 札幌中心部で-北海道新聞[道内]
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就職難に苦しむ札幌の大学生らによる「就活くたばれデモ」が23日、札幌市の中心部で行われ、リクルートスーツ姿の学生が年々早まる就職活動への不満や求人増を訴えた。
デモには、就職先が決まっていない北大の4年生や大学院生ら約20人が参加。「面接多すぎ」や「既卒を差別するな」と書かれたプラカードを持って、「生きるための仕事をよこせ」などと叫びながら、約1時間練り歩いた。
いろいろ思うところがあって書いてたら長くなった。
複数の記事に分けるほどの内容でもないので、まとめて。
●「人のせい」はクセになる
●DoneがないとNoは言えない
●就活ってそんなに悪いものじゃないよ
●その行動力は就活に役立ちます
「人のせい」はクセになる
自分にとって都合の悪い状況があるときに、
それを作り出している絶対的悪者がいると考えるのは短絡的。
バイキンマンを退治すれば世の中は平和になるという発想だ。
就活なんてくたばっちまえ?
「就活マン」という悪者がいるわけじゃないぞ。
面白法人カヤックの柳澤社長が、先日Ustでおっしゃっていた。
楽しく生きるコツは、ひとのせいにしないこと。
他人のせいとか、会社のせいとか、病気のせいとか。
小飼弾氏も、やはり同じ意味のことを書かれていた。
誰かのせいにしているものは、結局最後には自分のせいにすることに行き着き、ますます自分を追い込む。まずは「他人のせい」にするのではなく、「自分のおかげ」にするべきだろう。単に自尊心が高まるだけではなく、自分の出来ない事をしている他者に対する尊敬も高まる。
(404 Blog Not Found:自己責任から自己権利へ)
内定がもらえないことを学歴差別のせいにする学生は、
内定をもらった東大生に対し、素直に尊敬を抱けなくなるだろう。
そういう人は、その東大生が東大に入学したときにも、
高校のせいにしたり、塾のせいにしたり、遺伝子のせいにしたりして
やはり素直に尊敬できなかっただろうと推測できる。
「権利を行使する」。それは「責任を果たす」よりもおそらくきつい生き方だ。「他人のせい」という最も手軽ないいわけを封殺してしまうのだから。しかし私の目から見て幸せそうに生きている人々は、一人の例外もなくそうしている。
(404 Blog Not Found:自己責任から自己権利へ)
「責任を果たす」じゃなくて、「権利を行使する」と考える。
「余儀なくされる」のではなくて「踏み切る」。
自己責任じゃなくて、自己権利。
面接を受けるのも、就活生の「権利」だ。
「面接多すぎ」とあるが、会う時間をとってもらっていることを
感謝する(少なくとも幸運に思う)気持ちがあってもいいと思う。
もっと年配で就職・転職活動をされている方や、
知的・身体的になんらかの障害を負っている人、
外国籍の人や帰化した人、被差別部落出身者など、
会ってもらうまでに苦労する人だって少なくないのだから。
柳澤氏はこうもおっしゃっていた。
人のせいにする奴は、人のせいにする奴とつるみたがる。
これは著書『アイデアは考えるな。』にも書かれていたけど、
職場で上司に叱られてへこんでるときに、
「お前は悪くないよ」って言って味方してくれる人にこそ注意せよ。
その人はただ上司の悪口を共有したいだけかもしれない。
傷をなめ合って気を紛らわすコロニーよりも、
認め合い、励まし合い、高め合える関係を築く。
これも一種の「コミュニケーション能力」だ。
DoneがないとNoは言えない
「こんなデモをしてる暇があったら就活しろ」という意見に対し、
「今の就活を否定するためにデモをしてるんだから、就活しないのは当然」
という弁護をされているのが以下のブログ。
考えてもみてください。「○○社はもっと環境に配慮しろ!」とかいうことを主張するデモに参加する人が○○社の製品使ってたら、むしろそっちの方がおかしいでしょう?あるいは「国は高額所得者にきちんと課税しろ!」とかいうことを主張するデモの参加者が高額所得者で脱税していたら、そっちの方が言行不一致になるわけです。就活についたってそれは同じ。今の就活を批判する人が今の就活をボイコットする。それはきわめて真っ当な運動のやり方であって、むしろそれを批判する人の方がちょっと意味が分からない訳です。
(むしろ「就活くたばれ」と言ってこなかったからこそ今の惨状があるんじゃないの - 日常ごっこ)
なるほどごもっともな気もするたとえではあるけれど、
実際は、そう単純に考えられるものでもない。残念ながら。
当人達がどんなに確信犯(故意犯でなくて)のつもりでいても、外からは、
うまくいかないから制度や環境のせいにしてるようにしか見えない。
これも小飼氏のブログから引用。
Yesと言えるのにあえてNoというには、Yesと言った後にDoneと言わせた経歴が必要なんだよ。まだそれがないのにNoというのは、それはNoではなくてCannotなんだよ。
(404 Blog Not Found:YesなくしてNoなし)
就活に励みつつ就活を批判することに問題はない。
それよりも、今就活を批判しておきながら、
内定をもらった途端に就活批判をやめることが問題なのだ。
私自身の話をすれば、小学生の頃から大学受験期に至るまで
ずっと現代文のテストというものに不満を持っていた。
国語のテストはクソだ。
受験勉強中もずっと主張していたが、
それは、受験をボイコットしていい理由にはならない。
少なくとも周囲は認めてくれない。
むしろ、志望校に合格した上で、つまり自己正当化の必要がなくなったときに
変わらず批判してみせることにこそ意味がある。
そう思って勉強していた。
だから、いま私には言う資格があるのだ。
「国語のテストは本当にクソだ。」
就活ってそんなに悪いものじゃないよ
今回のデモ主催者のブログを読む限りでは、
就活の全てを否定したいわけじゃなくて、
「問題の多い現在の就活に対する不満を共有したい」
ということだったらしい。
生きていくために就活をしなきゃいけないのは仕方ないとしても、いまの就職活動の現場においては、あまりに問題が多い!! 始まる時期が早すぎる、面接会場が東京であることが多いため地方と都市で差が出る、面接でのコミュニケーション能力偏重、新卒一括採用、年度によって生まれる差、市場原理に抗えず就職予備校化する大学……就活をしている人からは、そんな指摘をよく聞きます。
学生以外だけじゃない。
フリーターや「ニート」状態の人たち、大学教授などの教育関係者や企業関係者、色んな人たちが就活のあり方はおかしいと思っている人は多い。また、不満だけならまだしも、就活の内定獲得レースに疲れて、精神的にまいってしまうという学生の話を聞くこともある。
(就活くたばれデモ@札幌 (詳細): O瀧さんの暴動ステーション)
就活を経験した一個人の感想としてだけど、
就活ってそんなに憎むべきものではないよ。
とにかく視野が広がる。
学生ってほんと狭い世界で生きてたんだなってことがわかる。
大人って意外とカッコイイ人多いじゃんって気づく。
世の中にこんなにいろんな仕事あったのかよ!って驚く。
就職しちゃったらなかなか話す機会のないような
いろんな立場の人に会って話を聞ける。
しかも、学生だから多少の無礼も許される。
地方が不利だっていうのは、ほとんど被害妄想だ。
東京の企業説明会に行けば
「わざわざ北海道から来たの?すごいねぇ」
って、それだけで意欲の評価につながるし。
きっと東京の学生は
「北海道は採用ペースがゆっくりでうらやましい」
とか思ってるもんなんじゃないか。
けど、開始時期が早すぎるという意見には同意できる部分もある。
志望する企業にさっさと受付を締め切られることとかがあるし。
対策はされているけど、内定を出せる時期を制限したところで、
「内々定」と言葉が変えられるだけだったり、いたちごっこな感がある。
大学時代は勉強だけやってたいっていうのは
真っ当な願望だよなぁ。
ちなみに、「面接でのコミュニケーション能力偏重」ってのは、
何を言ってるのかよくわかりません。
その行動力は就活に役立ちます
ここまでけっこう本件を批判するようなことを書いたが、
どんなことでも、言うだけの人より実行する人のほうが偉い。
ブログに書くだけの人よりも、当然偉い・・・。
実際、今回の件は、就活の現状を考えるためのきっかけとして
結果的に立派に機能したんじゃないか。
皮肉をいうつもりではないんだけど、
その行動力は、就活においても確実に強力な武器になるはず。
面接で、「学生時代にやったことは?」と聞かれたら
「くたばれ就活」デモをしましたと、堂々と答えてやればいい。
※追記かきました:
・職がないなら景気を憂えばいいじゃない
・くたばれ就活デモ関連の記事について、謝罪と再考
関連エントリー:
・悪者を排除しようとすることほど非建設的なことはない
・新卒者は全員、まず自営業を経験すればいいと思う
・現代文の授業がなんのためにあるのか、ずばり答える。
・竹中氏曰く、批判は3タイプに集約される
>「ニートの海外就職日記」←たとえばこのサイト
僕もそのブログ大好きです。
Job is shitですね(笑)
確かにそれもひとつの手ですよね。
外に出てみないとなかなか気づけない
日本の特殊性というのはけっこう多そうです。
そんなかわいそうな考えしかできない自分の悲しさに気づかないんだな
あのデモの主催者こそ
真に人間らしいと言える
いや、人間らしさを見失ってない、とでも言えるだろうか
本人達もまだまだ実験的な試みの途中であるようですし。
悲観的に捉えるのは早すぎると思います。
むしろ革命的な事を行なおうとしているあなたの後輩、また母校を誇りに思うべきだと思います。
いきなりのコメ失礼しました。
おっしゃるとおり、何よりとにかく行動を起こしたことを評価すべきなのでしょうね。
この動きがきっかけで、東京でも同じようなことをしはじめた学生の一団があるようですし。
確実に世間の意識への影響はあったのでしょう。
視野は広くもっていたいものだなと反省しました。
「ニートの海外就職日記」←たとえばこのサイト
なんか参考になるので
日本の社会と労働環境の異常に気づいてるのなら
・自虐性もクセになるので極端はやめる。
・YES、NOをはっきり言わないといけない世界(海外)へ目を向ける。
・就活は日系以外なら悪いもんじゃないよ!
・その行動力は人間らしい生活を送る為の力になる!
これでOKだと思います!自分はフリーターなのでまず派遣でも受けて
英語勉強しつつお金ためてから海外留学→現地就職するプランを立ててます。
ネット環境を作れれば日本の娯楽から離れる心配もないしw
デモの人たちがもし失敗したら日系ではなく非違法労働環境と非同調圧力社会である海外に目を向けてみてほしいです。