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言葉の背景を共有すること  
2007.12.08 (Sat)
就活コンパスのイベント準備や反省会をする中で、
メンバーと、「就活用語がなんとなくで使われすぎだよね」って話をしていた。

言葉の背景が共有されているか確認しないまま、
なんとなくのイメージで用語を使って会話して
理解された気、理解した気になっている、ということ。


例えば前回のイベントでは、
「入社一年後、会社を辞めたくなっているAくん。
(中略)Aくんが就活をもっと頑張る余地はあっただろうか」

という感じのテーマでグループ・ディスカッションをした。

「やっぱり、自己分析が不十分だったから~」
「もっと企業研究をしていれば~」

といった意見がたくさん出てくる。

でも、「自己分析」「企業研究」って、具体的に何をすること?

そこが議論されていない。
他の人の思っている自己分析と自分の思っている自己分析は同じはずだと、
みんな勝手に思っている。


就活を離れ、日常を見渡してみる。
普段なんとなく使われている言葉も、実は背景を共有できていない気がしてくる。

地下鉄に乗ると、「車内で不審物を発見された方は~」とアナウンスが流れる。

その「不審」っていうのは、私の基準でいいんですか?
世間一般的に、どういう形状のものが不審なものと見なされるのか存じあげないもので。

「不審物ありました!」って教えにいって、
「いや、これは別に不審じゃないですよ」って言われたらどうしようなんて心配してしまう。


家庭教師でもそうだ。

英語のテキストを渡して、「ここ、予習しておいてね」と指示を出し、
次のときに行ってみたら、訳も書いてないし、単語の意味も調べてない。

「予習しておいてって言ったじゃん!」

「予習しましたよ?」

 ??



・・・おお、確かにベリーナイスな発音♪


なんてこともある・・・。


議論の前提として、頻繁に使われる言葉の意味を本当に共有できているか
確認しておくことは決して無駄ではない。


なんでこんな話をしているかというと、ちょっと気になっているからです。


学力低下論争。


PISAの結果を受けての、「学力向上サミット」開催提言

いいんですけど、PISAで調べられた「学力」って何なのか、
向上すべき「学力」って何なのか、
ちゃんと確認して、共有してからやってくださいね。

まあ、それも含めて再検討するということならいいんですけど。

ゆとり教育について議論されてたときも、
「ゆとり」っていうのが、授業時数を減らすことを指すのか、
あるいは学習内容を減らすことを指すのか、
十分に確認されないまま話が進んでた気がします。



 参考
 PISA(OECD生徒の学習到達度調査) 2006年調査(PDF)(文部科学省)
 高校1年の科学的活用力、世界6位に転落(iza)
 OECD調査、全分野で後退 文科相「ゆとり教育」影響認める(iza)
 知事・教育長「学力向上サミット」、再生会議素案で提言(YOMIURI ONLINE)
 続・見える学力見えない学力(The king has donkey ears・王様の耳はロバの耳)
 OECD学力調査、日本の学力低下深刻に(とよ爺のつぶやき)
 



札幌だけの家庭教師「考動力研究会」


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