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第2回「教師学のススメ」ご報告  
2008.06.25 (Wed)
2008.6.23教師学のススメVol.2が無事終了。
思っていたよりエキサイティングな感じになりました。
やはり数学というテーマは深い。

最初にテーマ提供者の佐藤氏から
数学はこうして役に立ってるんだぜっていう感じの話をしてもらい、
その後、数学を勉強する(勉強させる)意味や、
いかにして数学を教えるかなどについて意見やアイデアを交換し合った。


今回はわりと丁寧に議論をまとめてみよう。

まず、我々の生活の中でも
数学は目に見えないところで役に立っているという佐藤氏のお話。
複素数はタイヤの原理に用いられているし、
経済でいえば微分積分が効用の最大化の計算に使われる。

でも、じゃあそういう仕事に関わらない大多数の人にとっては
やっぱり数学なんて必要ないのかというと、そうじゃない。
数学は応用力、整理・類推・体系化する力を身につける学問だ
という話がありました。
あとは、図を使って考えるということを覚えられるとか、
視野を切り替えて考える力が身につくとか、
抽象化して考えられるようになるのが数学だとか、
難しい問題を考えるプロセスを身につけるとか、
好奇心を育てられるのが数学だといった意見もありました。

でも僕などが思ってしまったのは、
それって数学じゃないといけないの?ということ。
例えば、図を使って考える方法を身につけるなら、
それをそのまま教えればいいんじゃない?ということ。

でもまあ、上にあげた項目の多さを見てわかるように、
一つ一つ個別にやっていたら大変だけど、
これらをまとめて扱えるのが数学だという結論になりました。

ただ問題なのは、子ども達(大人もか)が
「数学って何の役にたつの?」って思ってしまうように、
数学で上記の能力が身につくことの実感が得られないこと。
いかにその実感を生徒に持たせてあげるかというのは
考えたほうがいいかもしれないねという話になりました。


それから、数学をどうやって教えるかという話。

まず話題にあがったのは、「マイナス×マイナス=プラス」
どうやって納得させるかについて。

[×マイナスの数]というのを概念的に理解することの難しさについて
ひとしきり話し合ったあと、
数学以外の概念に置き換えて理解させることも時に有効である
という話になった。

そして、2者間の人間関係に置き換えた、
「一方が好意をもっている(+)のに、他方が嫌っている(-)関係は
 うまくいっていない関係(-)といえるが、
 お互いに嫌っている(-×-)なら別に問題ない(+)」
という、画期的なたとえ話に一同うならされた。

あと、当日は言わなかったけど、何かの本で読んだものでは、
「10万円の負債(-10万)を5回手離す(-5)と、資産は+50万だ」
というたとえがあったな。


その次に話題にあがったのは、[÷分数]がなぜ[×逆数]になるのかという話。

これについては、数学的に見事に証明してくれた方もいたが、
数学が苦手な生徒に納得させるという意味では、むむむという感じ。

[÷分数]になるような文章題としては、例えば
「2mのリボンを1/2mずつ切り取ると何本になるでしょう」(2÷1/2)
といった問題が作れるが、
こういう問題で[÷1/2]を[×2]に直すのって意味不明じゃない?という話。

これは各自の宿題ということになりました。


最後に再び佐藤氏のほうから、
合コンで 授業で使える数学小ネタ」の話があって、終了。

なかなか濃い話し合いができて楽しかった。
国語、数学ときて、次はどうなるものでしょう??


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