『マニャーナの法則 明日できることを今日やるな』を読了。

新装版でございます。ありがとうございます!
一読して、こいつはうまく機能しそうなシステムだという期待感を持った。
ただ、書き方がイマイチなのか自分の理解力がイマイチなのか、
ともかく一度読んだだけではイマイチわからない部分もあり
(結局ファーストタスクって何なの?Will Doリストに何を書くの?等)、
ニ度目の通読を経て、ようやくだいたい理解して、
ますますこれはいいぞと思った。
「マニャーナ」とはスペイン語で「明日」のこと。
このマニャーナの法則の根底にあるのは、
「明日まで待てないほど、緊急な仕事はない」という考え方である。
それゆえ、新しく発生した仕事に当日中に着手することを極力避け、
可能なものはすべて「明日」にまわそうというものだ。
これは、決して「先延ばし」ではない。
なぜなら、翌日、確実に処理されるからである。
仕事との間に一日分の「バッファー・ゾーン」を設けることにより、
一日分の仕事を、整理された計画通りにこなすことができる。
ポイントは、仕事に必要以上の緊急性を与えないということである。
その毎日の仕事を管理する「クローズド・リスト」には、
タスク・ダイアリーを用意するのがいいということで、
さっそく、無印良品の文庫本ノートを買ってきた。

144枚、しおりの紐もついて147円。文句なしの良品。
わざわざダイアリーを買わずとも、自分で日付を書けば問題ない。

これに、同じく無印のアルミ丸軸万年筆を使ってゴリゴリ書いていく。
一日分のタスクを決めたら、そのリストの下に一本線を引いてしまう。
その後、当日中にやらねばならなくなった緊急の仕事は、その下に書く。
この万年筆も、千円強とは思えない書き味の良品。
ヨーロッパ標準のカートリッジなので、
ロッドリングやペリカンのコンバーターも使えるらしい。
というわけで、近くに無印良品がある人にはぜひおすすめしたい2品。
万年筆はネットストアからもお求め可能です。
ちがった。マニャーナだった。これはいいですよ。
『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』とのイイトコ取りで
より自分に合ったシステムを作るのもいいかも。
しかしこれは、2009年、「最もタイトルの悪かった本」に
ノミネートされるであろう作品ですね。

↑旧装版の表紙。
最初「マニャーナ」って、このオッサンの名前かと思ったわ(笑)
関連エントリー:
・はじめてのGTD
・2007年、最もタイトルの悪かった本
・算数で子どもに人生を語れ―父親が教えるツルカメ算
良質な教科書系ウェブサイト集(改訂版)
こういう情報はシェアしてなんぼの時代なので、こちらも持ち駒を少し。
中学生向けがとかが多いですが。
<理科>
・中学理科の攻略☆りかちゃんのサブノート
中学理科は何をさしおいてもここ。
現在は更新してないみたいだけど、すごすぎでしょ。
転載公開はダメだけど、利用は自由とのこと。
印刷しての利用にも便利。
・~ようこそ水・清の部屋へ~
ここも基本的に中学理科の内容がまとまっているが、
バードウォッチングの資料なども公開されている。
・MIT「熱血物理学教授」の講義ビデオが大人気
記事中のリンクから、Youtubeにあるビデオがいくらか見れる。
※なんか見れなくなってるかもー。
<社会>
・白地図、世界地図、日本地図が無料
最近人気だったやつ。
・【中学受験・高校受験】白地図学習シート
白地図はこちらも便利。
個人・法人問わず使用可能。
加工・再配布は不可。
・都道府県パズル
都道府県名、県庁所在地、地形がパズルゲームで覚えられる。
ランキングのレベルが高いので何気に燃える。
<算数・数学・漢字>
・学年別漢字配当表
Wikipedia。
小学何年生でどの漢字を習うかがわかる。
教育用途でしか使わないだろうけど。
・日本標準が開発した『漢字歌』
これも教育用途。
子どもに漢字を楽しく覚えさせるために。
・学習支援サイト向日葵
ここもすごい。
ものすごい量の漢字・計算プリント。
転載・再配布とかでなければ利用自由。
・数学苦手な中学生,応援します
・数学得意な中学生応援します
中学数学ではここもすごい。
各県の高校入試問題まで・・・。
細かい利用規定は不明。
・中学校数学・学習サイト 勉強法、練習問題プリント
ここも中学数学。
学年ごとの練習問題プリントだけでなく、勉強法も参考になる。
個人法人とも利用自由。転載・再配布はダメ。
・stand by me
指導に使いやすい、いい感じの算数の計算練習プリントがすごい量ある。
学校の先生向け。
校務支援ソフトまであるのがすごいw
<英語>
英語は挙げだすときりがないけど、いくつか。
・英語上達完全マップ
有名なやつ。本になってる内容がサイト上で読める。
・英単語タイピングゲーム iVoca
タイピングゲームで英単語を覚えられる。
・中学英語の基礎がバリバリわかる!ひだかたかのり の英文法攻略サイト
ここもすごいっすよ。中学英語のやり直しに。
・English as a Second Language Podcast
とってもわかりやすくていい感じのポッドキャスト。
難しい単語をいちいち別の表現で言い換えてくれるのが嬉しい。
知ってる語彙が少なくても理解できるし、
英英辞典を読むように、新出単語を英語で理解できるのがいい。
・地球人ネットワークを創るアルク:スペースアルク
英辞郎 on the WEB、お世話になってます。
例文が超たくさん出てくる。
最近はインストール型のフリー辞書も充実してるみたいだけど、
とりあえずこれに満足してるのでまだ試してみてない。
うーん、いい時代ですね。
自分でも新しい国語教材を作って公開したいなと
密かな野望を抱えてたりするんですが、長期戦ですね・・・。
「大学・大学院起業家教育データベース」はじめました ~あなたの受けたい授業がみつかる!「大学・大学院における起業家教育実態調査」も公表~
経済産業省では、全国の大学・大学院で行われている起業家教育の状況を調査するため、全大学・大学院734校を対象に「大学・大学院における起業家教育実態調査」を実施しました。その結果、全国247校の大学・大学院で起業家教育が行われていること等が明らかになりました。
本日より、これら247校でどのような起業家教育が行われているかを検索できるデータベースを経済産業省ホームページで公開いたします。
※起業家教育とは
新事業を創出したり、立ち上げたりするために必要な知識やスキル、モチベーション等を習得するための教育のこと。起業家教育の目的・活用先として、新たに企業をつくる「起業」 「創業」 「ベンチャー企業」等をイメージすることが多いが、大企業での新規事業部門立ち上げや非営利団体による新事業創出など、その利用範囲は広い。アントレプレナーシップ(起業家精神)教育とも呼ばれる。
734校を対象に調査を実施とあるが、
正確には、回答を得られたのはそのうち536校についてで、
その、実に46%にあたる247校で「起業家教育」が実施されていたとのこと。
マジっすか。
そしてその大学を検索できるデータベースというのが↓こちら。
大学・大学院起業家教育講座データベース
画面はこんな感じ。

えー、北海道に29件もあるってかい。

起業家教育を大学でやるってことについては
賛否両論あるかもしれないけど、
とりあえず大学選びの役には立ちそうですね。
ラッセル『幸福論』より「退屈と興奮」の抜粋を読む。
うーん、改めて考えさせられるものがある。
ラッセルは言う。退屈には二種類あると。
一つは、実を結ばせる退屈であり、もう一つは、人を無気力にする退屈である。実を結ばせる種類は、麻薬のないことから生じ、人を無気力にする種類は、生き生きとした活動のないことから生じる。
この前者について、麻薬やそれに似た興奮が多すぎることの問題を、
以下のように表す。
多すぎる興奮は、健康をむしばむばかりではない、あらゆる種類の快楽に対する味覚をにぶらせ、深い全身的な満足をくすぐりで置き換え、英知を小利口さで、美をどぎつい驚きで置き換えてしまう。
そして、
「退屈に耐える力をある程度持っていることは、
幸福な生活にとって不可欠であり、
若い人たちに教えるべき事柄の一つである」
と結論づける。
さらに、
「偉大な本は、おしなべて退屈な部分を含んでいるし、
古来、偉大な生涯は、おしなべて退屈な期間を含んでいた」
という表現。
これは真理ではないか。
特に後者について、
「偉大な事業は、粘り強い仕事なしに達成されるものではない」
というのには説得力がある。
齋藤孝氏は、以下のようなコメントを添えている。
同じ作業を毎日繰り返すことによって、掘られる井戸は深くなり、後で湧き出す泉は豊かになる。ラッセルの「実りある退屈」という考え方は、私たちの生活を捉え直すための決定的なキーポイントだ。退屈さを恐れるあまり、興奮に走れば、より退屈が怖くなる。「実りある退屈」という感覚を幼いときから技とすることによって、生き方はまったく変わってくる。
「実りある退屈」という感覚を幼いときから覚えさせる。
うーん、難しいことですねぇ。
なんせ、現代の生活は刺激に満ち溢れている。
多くの家の子どもは、絶えず小刻みに刺激を提示してくれる
テレビやゲーム、携帯やPCと共に、退屈を感じることなく育つ。
勉強よりも楽しいもの、「くすぐ」ってくれるものが多いから
退屈な勉強のために時間を使うことを嫌がる。
本も映画も音楽も、退屈なものは売れないから、
「どぎつい驚き」によって刺激的なものに仕立て上げられる。
ただ、考えてみると、近年爆発的に増加した「プログラマ」という職業が
実りある退屈を積み重ねて大成する性格のものに感じられるのは興味深い。
10代の「天才プログラマ」なんかもちょくちょく出てくる。
そういう人は、小さい頃から既に「くすぐり」に甘んじることなく
「深い全身的な満足」を得るために時間を使うことを覚えているのだろう。
そう考えると安易に「いまどきの若いもんは・・・」なんて言えないかな。
とりあえずラッセル幸福論をちゃんと読みたい。
関連エントリー:
・やりがい
・精神的に向上心のないものは、馬鹿だ
・二人の男がレンガを積んでいた。
「オレも行くから一緒に謝ろう」と話していた当日、
待ち合わせまで1時間を切った頃にメールが入る。
「合わせる顔がありません」
「給料は社会勉強させてもらったということで要りません」
「ご迷惑かけてすいません。お世話になりました」
とにかくメールを返した。
とりあえず、今日だけは来い、と。
しかし返信なし。
電話をかけたが、全く出てもらえない状態。
伝えたいことが沢山あった。超たくさん。
今逃げたらダメだ。ここで逃げグセをつけるな。
誰だってミスはする。大事なのはその後どうするかだ。
決して弁解のために嘘をつくな。嘘は嘘でしか上塗りできないから。
医者を目指すなら、そのために一番大切なことを学べるのは今だ。
医者になって手術ミスをしてから、
「勉強させてもらったので手術代は要りません」と言うつもりか?
飲みに行くって約束してたじゃないか。
貸してた本返せ。etc.
届けられないことが本当にむなしかった。
実際、私が彼の実家まで押しかけることも、
契約書をかざして損害賠償請求することもないだろう。
とすると、もし今後全く連絡がつかないままだったとしたら、
彼はこのまま、何事もなかったかのように日常を過ごせる。
逃走が成功体験になってしまう。
なんて無力なんだ自分。
学生の教育者、相談役、かつ理解者になったつもりで、
その実ひとりで空回りしてるだけなのだろうか。
もう寝る。
『父親が教えるツルカメ算』
本書のコンセプトは、算数を教えることを通じて、
父親が子どもの主体的な学びの姿勢を育てるべしというもの。
曰く、小学生に算数を教えるのは、お父さんにとっては
子どもとコミュニケーションの機会をもつラストチャンスかもよ?と。
筆者は特に算数・数学についての専門家ではなく、
自身が子どもの中学受験に際して算数を教えた経験から綴っている。
それゆえ見事に、一般的なお父さんでもこれさえ読めば
ある程度したり顔で教示できそうな内容に仕上がっている。
なぜ算数か。
それは、算数が単なる計算能力を試すものではなく、
発想の転換によって不可能と思われた局面を切り開くという
人間にとって最も大切な能力を育てる学科だからだという。
本書では、ツルカメ算をはじめとするいくつかの例題について
具体的な解き方が解説されているのだが、その中でも筆者は
「ありえない事態を想定する」ということを度々強調する。
例えばツルカメ算なら、もし全部ツルだったら?という
極端な仮説を立てられることが重要なのだと。
幼児は現実的である。目の前の現実に対応するすべは知っているが、極端な場合を想定して正解に近づくといった抽象的な発想は、日常的な局面から学ぶことはできない。まさに算数でなければ学べない思考方法なのだ(中略)。
論理的に考えるというのは、こういうことを意味している。現実に引きずられて、山勘で対応するというのは、日常の中では有効な場合もあるが、ものごとを根底から考えるということができなければ、合理的な判断ができないし、他人に対しても説得力のあるプレゼンテーションができない。
全部ツルとか、全部カメという、ありえない事態を仮定して、頭の中でシミュレーション(思考実験)するというのが、論理的な思考の出発点なのだ。
また、個人的にすごく賛同したいのは、
算数を通じて、考えることの面白さに気づかせることによって、
子どもの自主性を伸ばすことが大事なのだという部分。
そうなんです、大事なのは自主性なんです。
注意しなければならないのは、例えば学校の成績のようなものは、厳しい先生が鞭をもって教育すれば、何とかなるということだ。これを暗記しろと命令されて、とりあえず暗記する。我慢強い子供は、よい成績を残す。しかし、それはサーカスの動物が調教されているようなもので、鞭がなければ成果を残せないし、面白いと感じて憶えたことでなければ、結局は身につかない。
意欲がなくても、大学に入ることは可能だ。進学指導のノウハウをもっている高校にいれば、指導に黙々と従うだけで、そこそこの大学に入ることができる。どうしてもこの大学に行きたいという強いモチベーションもなく、模擬テストの自分の偏差値と、大学のランクを見比べて、入れそうな大学を受験したという学生も少なくない。
こういう学生は、社会に出てから苦労することになるだろうし、その前に、就職試験で排除されることになる。
本書のもうひとつのキモは、この算数をキッカケとして、
父親の人生観を子どもに語ってやりましょう、ということ。
一般に、父親の仕事は「長期戦」であるから、
努力が報われるかどうかは長い目で見なければならないということを
多くのお父さんは知っているはず。
頑張ったのに成績が上がらないと子どもが落ち込んでいるときには、
「努力というものは、すぐには成果に結びつかない。
しかし、めげずに努力していれば、必ずいいことがある」ということを
お父さんが自分の体験をまじえて語ってあげましょうと。
子どもに話してやりたいことはあるけれど、なかなかその機会がないという
父親は、実は多いんじゃないかと思う。
算数を教えてやるそのときが、もしかしたらラストチャンスかもしれないよと
本書は警鐘を鳴らしているのである。
というわけで、お父さん方にはもちろんのこと、
数学ではなく、「算数」の文章題の考え方について
改めて考えてみたいという方にもオススメである。
私自身もお父さんではないが、あらためて算数に興味がわいてきて、
新たに『和算式計算ドリル』を購入。
これもなかなか面白そうだ。また機会があれば紹介したい。
以上のように、そのコンセプトがすごくいいだけに、ところどころ、
感覚的にものを言っている部分が目立つのが惜しい。
小学校の時期に脳トレしないと脳が育たないとか、
その結果大学生になっても分数が扱えないとか。
ゆとり教育で円周率が3論争とかも、そろそろいいかなと……。
ちなみに今回は「シゴタノ!読書塾」への応募記事でした。
こんな感じでよいのでしょうか・・・。
2009年3月の書籍売上ベスト10+プレゼントのお知らせ(シゴタノ!)