『日本人の英語』を今読んでいるところ。
この本は確実にもっと早く知っておくべきだったな。いや実際。
『バカの壁』の中で、養老氏が、
定冠詞"the"と不定冠詞"a"の違いに相当するものは日本語にも存在するという話を
次の文章を例に説明している。
昔々、おじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは、山へ柴刈りに……
「おじいさんとおばあさんが」の「が」は、不定冠詞に相当する、つまり
「おじいさんとおばあさんが」といわれてはじめて、
読者は頭の中に特定のおじいさんとおばあさんを思い浮かべる。
その次の「おじいさんは」の「は」は定冠詞に相当する。
読者はさきほど思い浮かべた特定のおじいさんを頭の中で動かす、と。
これを読んでなるほどーと思ったんだけど、
『日本人の英語』(1988年)で既に、日本語の助詞と比較して
定冠詞と不定冠詞の概念が説明されてた。
英語では、いきなり"her cat"で紹介した場合、それはher one and only cat という意味になる。それは、いわば上述の「は」と「が」が二つともこの表現に入っているからである。つまり、"her cat......"という言い方は、ここで「彼女のところには、猫が一匹いる。その猫は……」という意味になる。
彼女の家に猫が数匹いるとすれば、猫のことを最初に言い出すとき、英語では"one of her cats"と言う。むろん、一度その猫を紹介しておけば、それ以後、「例の、その猫」という意味でher cat あるいはthe cat というのもあるけれども、それは日本語の「は」と「が」の使い方と同じようなものである。
大学の教授達が学生に読ませたいと考えるのも納得。
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ものすごく恥ずかしい話ですが、今回コメントをいただいて初めて、
自分が柴刈りの「柴」が何なのか実はわかっていなかったということに気づきました・・・。
柴が何なのかも知らずに今まで何の違和感ももたずに桃太郎を諳んじていたとは・・・恥ずかしすぎる(汗)
昔、Magic: the Gathering (カードゲーム)が日本に入ってきた頃、カードの内容を辞書片手に翻訳してたのを思い出しました。
その時、この本があったら問題のいくつかは解決できてたような気が。
>柴
逆に、ちょっと前まで、柴犬を(柴+犬)で雑種犬だと思ってました…。
毛色が柴っぽいとか、柴を駆け回るからだとか諸説あるようですが、
ちゃんと血統書とかありますもんね。柴犬。
それ僕もやってましたよw
>MTGを辞書片手に翻訳
既に日本語版もあったんですけど、英語版のほうが安くて
日本語版で意味確認しながらやってた覚えがあります。懐かしい。
桃太郎といえば、親戚の子と親が柴分からなくて説明をさせられた事が…(遠い目)