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未完成でベスト  
2009.08.03 (Mon)
サッカーでもバスケットでも卓球でも短距離走でも、
おおよその競技において、個人の技能が熟達するにつれて
フォームはより無駄のない形に洗練されていく。
その結果、皆似たような形に収斂されていくのは道理である。

だからプロのようなレベルの高い集団ほど、
選手は皆「正しい形」を身につけていて、
ある意味での「個性」はなくなっていく。

そういう選手同士の頂上決戦には、
そのレベルの高さゆえの面白さがあるのだけど、
まだ熟しきっていない、少年団や中体連、高体連の試合には
また違った、未完成ゆえの面白さがある。

ヘンテコな手のふり方なのに、やたら速い。
得意のパターンにハマったときだけ、めちゃくちゃ強い。
そういうセンスまかせの強さというのは、
見ていてなんだかワクワクするものだ。


およそどんな分野でも、似たようなことはあるんじゃなかろうか。

絵はてんでヘタクソなのに、話の展開が神懸って面白い漫画。
演奏は全然ヘタクソなのに、なんかかっこいいロックバンド。

そういう漫画家やアーティストの技能が熟達されてくると、
なんとなく残念に思ってしまうことがある。


本人が技術のなさを恥ずかしく思っているときに、
実は周りの人にはそれこそが魅力だと思われてたりとか、意外にあると思う。

正しい形、完成された無駄のない形は、すごいけれど退屈だ。

最初に「ある意味での」と書いたけれど、
未完成な部分こそが「個性」と呼ぶものの正体だったりするんじゃないか。
往々にして。



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