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歴史も経済も漫画で学べちゃうすごいリスト―[書評]マンガで鍛える読書力  
2009.09.27 (Sun)
三国志の内容だったら完璧に答えられるのになぁと、
学校の歴史教科書における三国志の扱いの小ささに
不満を覚える三国志ファンは多い。

三国志』のような魅力的なテキストが、
どの時代についてもあればいいのに。
そんなふうに思う学生もいることと思う。

本書『マンガで鍛える読書力』は、
その願望をかなりの高水準で満たしてくれる一冊だ。


本書では、「日本史」「世界史」「政治」「ビジネス・経済」について
各10点ずつ、魅力的なテキストが全て漫画からピックアップされている。

例として、日本史の10冊のラインナップを掲載。

信長』(戦国時代)
お~い!竜馬』(幕末)
日露戦争物語―天気晴朗ナレドモ浪高シ』(明治)
国が燃える』(近代)
ナムジ―大国主』『神武』(古代)
日出処の天子』(飛鳥)
天上の虹―持統天皇物語』(飛鳥)
火の鳥 (4)鳳凰編』(奈良)
あさきゆめみし―源氏物語』(平安)
火の鳥 (7)乱世編(上)』『火の鳥 (8)乱世編(下)』(平安末)

見てのとおり、漫画だけでほとんどの時代がカバーできてしまっているから
まったく恐れ入る。


しかし、本書が本当にすごいのは、そこではない。
実は本書のコンセプトは、漫画を読書の入口として、
さらに小説へ、専門書へと読書世界を広げていこうというものだ。

このガイドラインの充実ぶりが恐ろしい。
例えば信長についてであれば、以下のようなコースが推奨されている。

工藤 かずや『信長』(全8巻)
 →山岡 荘八『織田信長』(全5巻)
  →井沢 元彦『逆説の日本史』(9~11巻)
   →藤本 正行『信長の戦争―『信長公記』に見る戦国軍事学
    →ルイス フロイス『完訳フロイス日本史〈2〉信長とフロイス

漫画をとっかかりとして、小説、入門書、解説書、専門書と読み進み、
興味を深めながら抵抗なく学んでいきましょう。

これを提唱している著者は、東大とハーバード大学にダブル合格してるというから
なんとも説得力がある。


自分の経験からしても、確かに、読書に抵抗のある子どもの場合、
映画やドラマ、漫画を見てもらった後で、
その原作を読ませるという方法は、なかなかうまくいく感じである。

映画などで既にあらすじが頭に入っているから、
本を読んでいる途中で文章が理解できない部分があっても
あまり気にせずどんどん先へ進めるのが良いようだ。

漫画大国日本に生まれた我々の特権的学習法かもしれないですな。


※追記:
風雲児たち』がリストに含まれていないことに
お怒りの方が多いようです・・・。



関連エントリー:
『坊っちゃん』の読書感想文を書いてみました
日本の名作朗読Podcastを作ろうと思ったら、既に充実してた
読解力を鍛える方法
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