2007.12.17 (Mon)
高校生のときは、やむない事情でコンビニでアルバイトをしていた
(「やむない事情」がなければバイトは禁止だったので…)。
私の働いていた店は、オーナー曰く、
そこの店舗で働いていたと言えば、
他の店舗に行っても「あそこで働いていたなら安心だ」と
面接をパスできるほど、同チェーンの中では有名な店だった
(らしい。オーナー曰く)。
そのせいもあってかどうかわからないが、
いずれにしても、アルバイトが初めてだった私にとって
学ぶものは大きかった。
このときの経験が、サービスを考えるときのバックグラウンドとして
今現在も役に立っている。
今特に思うのは2つ。
「売る人の常識と買う人の常識が食い違う危険性に常に目を光らすべし」
ということと、
「マニュアル以上のサービスは、結局客のことを考える気持ちからしか生まれない」
ということ。
◆売る人の常識と買う人の常識
売る人の常識と買う人の常識について考えるときは、
洋服屋の店員をイメージすると早い。
いまだに、店に入った瞬間からチラチラと視線をなげかけ、
「よかったら広げてみてください」
「サイズありますよ」
と、プレッシャーをかけてくる店は多い。
それが大部分の客にとって、店に来る気を損なわせるものでしかなく、
しかも買う側はそのことを皆知っているにも関わらず、だ。
ファーストフード店などでの、「ご一緒に○○はいかがですか?」も同じ。
そう言われて買う客がいて、一時的に売上が増えたとしても、
長期的には客を減らすものでしかないことに、買う側は皆気づいている。
コンビニで働いていて気がついたのは、おつりのお札を渡す"向き"について。
当時働いていた人はみんな、漱石さん(旧札だからね)の
"胴側"を客に向けて渡していた。
それで私もそうしていたのだが、あるとき気がついたのは、
わざわざ漱石さんの"頭側"をつかんで受けとる客が多いということ。
不思議に思い、客を注意深く見ているとわかった。
サイフに入れるときに胴側を下にして入れたいからだったのだ。
売る人が良かれと思ってやっていることが
買う人にとっては迷惑でしかないということに、
売る人は意外と気がつけないものなのである。
◆マニュアル以上のサービス
コンビニでは、読みあげレジ(「○○円が1点、△△円が1点~」というやつ)をしろと
指導されていたのだが、
オーナーがレジを打っているのを見ると、
必ずしも読みあげをしていないことに気がついた。
そのときは「自分でやれって言っといて、あのやろう」と思っていたが、
あとから考えてみると、自分はいったいどれだけの急いでるお客さんを
「○○円が1点、△△円が1点」と言っていらいらさせていたことだろう、と思った。
オーナーは、客が急いでいる様子を敏感に察し、
そのときは読みあげよりスピードを優先させていたのだ。
もうひとつエピソードを挙げるなら、
一度だけ、客からクレームの電話を受けたことがあった。
「ちょっと!さっき買った懐中電灯、電池が入ってないんだけど!」
さっき自分が対応したお客さんだった。
「懐中電灯これでいいのかしら」みたいに聞いてきたので、
「はい、そうですね」といって、親切に対応したつもりだったのだが、
「電池のことくらい、親切に教えてくれてもよかったじゃないの!」
と言われてしまった。
とんだ言いがかりだ!と思ってしまったが、
相手が懐中電灯を使うときのことまで考えられたならば、
自然とそういう気遣いができるものだったのかもしれない。
接客マニュアルに
「懐中電灯を買う客には、電池が入っていないことを教えろ」
なんて書いていなくてもだ。
マニュアルで想定されていない状況に出くわしたときには、
「何が一番その客のためになるか」
という軸にそって結論を出すこと、
そしてそれを許せる空気が職場にあることが大切なのだと思う。
最近あるチェーンのカフェに行ったときのことだが、
その店では、客が帰りのドアを開けると同時に、
「ありがとうございました!」と店員一同声をそろえて言っていた。
気持ちのいい店だなと思って、帰り際にカウンターの前を通って
「ごちそうさまでした」と告げると、
なぜかどの店員も、笑顔でこっちを見たまま無言だった。
なんてことはない、みんな私がドアを開ける瞬間を待っていたのだ。
ドアを開けると同時に、声をそろえて一同「ありがとうございました!」
なんだかなぁ。
関連エントリー:
ビジネスのあり方
札幌だけの家庭教師「考動力研究会」
(「やむない事情」がなければバイトは禁止だったので…)。
私の働いていた店は、オーナー曰く、
そこの店舗で働いていたと言えば、
他の店舗に行っても「あそこで働いていたなら安心だ」と
面接をパスできるほど、同チェーンの中では有名な店だった
(らしい。オーナー曰く)。
そのせいもあってかどうかわからないが、
いずれにしても、アルバイトが初めてだった私にとって
学ぶものは大きかった。
このときの経験が、サービスを考えるときのバックグラウンドとして
今現在も役に立っている。
今特に思うのは2つ。
「売る人の常識と買う人の常識が食い違う危険性に常に目を光らすべし」
ということと、
「マニュアル以上のサービスは、結局客のことを考える気持ちからしか生まれない」
ということ。
◆売る人の常識と買う人の常識
売る人の常識と買う人の常識について考えるときは、
洋服屋の店員をイメージすると早い。
いまだに、店に入った瞬間からチラチラと視線をなげかけ、
「よかったら広げてみてください」
「サイズありますよ」
と、プレッシャーをかけてくる店は多い。
それが大部分の客にとって、店に来る気を損なわせるものでしかなく、
しかも買う側はそのことを皆知っているにも関わらず、だ。
ファーストフード店などでの、「ご一緒に○○はいかがですか?」も同じ。
そう言われて買う客がいて、一時的に売上が増えたとしても、
長期的には客を減らすものでしかないことに、買う側は皆気づいている。
コンビニで働いていて気がついたのは、おつりのお札を渡す"向き"について。
当時働いていた人はみんな、漱石さん(旧札だからね)の
"胴側"を客に向けて渡していた。
それで私もそうしていたのだが、あるとき気がついたのは、
わざわざ漱石さんの"頭側"をつかんで受けとる客が多いということ。
不思議に思い、客を注意深く見ているとわかった。
サイフに入れるときに胴側を下にして入れたいからだったのだ。
売る人が良かれと思ってやっていることが
買う人にとっては迷惑でしかないということに、
売る人は意外と気がつけないものなのである。
◆マニュアル以上のサービス
コンビニでは、読みあげレジ(「○○円が1点、△△円が1点~」というやつ)をしろと
指導されていたのだが、
オーナーがレジを打っているのを見ると、
必ずしも読みあげをしていないことに気がついた。
そのときは「自分でやれって言っといて、あのやろう」と思っていたが、
あとから考えてみると、自分はいったいどれだけの急いでるお客さんを
「○○円が1点、△△円が1点」と言っていらいらさせていたことだろう、と思った。
オーナーは、客が急いでいる様子を敏感に察し、
そのときは読みあげよりスピードを優先させていたのだ。
もうひとつエピソードを挙げるなら、
一度だけ、客からクレームの電話を受けたことがあった。
「ちょっと!さっき買った懐中電灯、電池が入ってないんだけど!」
さっき自分が対応したお客さんだった。
「懐中電灯これでいいのかしら」みたいに聞いてきたので、
「はい、そうですね」といって、親切に対応したつもりだったのだが、
「電池のことくらい、親切に教えてくれてもよかったじゃないの!」
と言われてしまった。
とんだ言いがかりだ!と思ってしまったが、
相手が懐中電灯を使うときのことまで考えられたならば、
自然とそういう気遣いができるものだったのかもしれない。
接客マニュアルに
「懐中電灯を買う客には、電池が入っていないことを教えろ」
なんて書いていなくてもだ。
マニュアルで想定されていない状況に出くわしたときには、
「何が一番その客のためになるか」
という軸にそって結論を出すこと、
そしてそれを許せる空気が職場にあることが大切なのだと思う。
最近あるチェーンのカフェに行ったときのことだが、
その店では、客が帰りのドアを開けると同時に、
「ありがとうございました!」と店員一同声をそろえて言っていた。
気持ちのいい店だなと思って、帰り際にカウンターの前を通って
「ごちそうさまでした」と告げると、
なぜかどの店員も、笑顔でこっちを見たまま無言だった。
なんてことはない、みんな私がドアを開ける瞬間を待っていたのだ。
ドアを開けると同時に、声をそろえて一同「ありがとうございました!」
なんだかなぁ。
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